[宗教②]仏教

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陀羅尼(総持・能持・能遮)


陀羅尼とは

陀羅尼の定義・意味

陀羅尼(だらに)とは、サンスクリット語のダーラニーの音訳で、サンスクリット語の呪文(マントラ)の長いもの、または、陀羅尼を読誦することで得られる効果をいう。

陀羅尼は翻訳(漢訳等)をせずそのまま読誦する。

陀羅尼の別名・別称・通称など

総持・能持・能遮

陀羅尼は総持(そうじ)・能持(のうじ)・能遮(のうしゃ)と漢訳・意訳される。

陀羅尼と関係・関連する概念

類似概念・類義語
真言

サンスクリット語の呪文(マントラ)の短いものは真言という。

陀羅尼の具体例

般若心経

般若心経の「ギャテイ ギャテイ …」から始まる有名な最後の部分は陀羅尼である。

陀羅尼の効果・効力

陀羅尼を誦することで、仏の説いた教えをすべて記憶して忘れず(=総持・能持)、雑念・妄想をさえぎることができる(=能遮。能く遮る。遮ることができるという意味)とされる。

陀羅尼とは、本来、すべて(=「総」)のことを「記憶して忘れない」(=「持」。保持する、という意味)ことができる(=「能」。~できる、という意味)という意味で、一種の記憶術であり、また、これを繰り返しとなえることで雑念・妄想をはらって禅定に入ることができる、と考えられたからである。

ただし、その神秘的な響き等から、陀羅尼を誦すればもろもろの障害を除いて種々の功徳を受けるといわれるようにもなった。

引用元:広辞苑

用例

法華経

菩薩・摩訶薩、八万人あり、皆、阿耨多羅三藐三菩提において退転せず、皆、陀羅尼を得、楽説弁才ありて

『法華経(上)』 岩波書店〈岩波文庫〉、坂本 幸男  岩本 裕 訳注、1991年、10頁。



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