陀羅尼(総持・能持・能遮)
陀羅尼とは
陀羅尼の定義・意味
陀羅尼(だらに)とは、サンスクリット語のダーラニーの音訳で、サンスクリット語の呪文(マントラ)の長いもの、または、陀羅尼を読誦することで得られる効果をいう。
陀羅尼は翻訳(漢訳等)をせずそのまま読誦する。
陀羅尼の別名・別称・通称など
総持・能持・能遮
陀羅尼は総持(そうじ)・能持(のうじ)・能遮(のうしゃ)と漢訳・意訳される。
陀羅尼と関係・関連する概念
類似概念・類義語
真言
サンスクリット語の呪文(マントラ)の短いものは真言という。
陀羅尼の具体例
般若心経
般若心経の「ギャテイ ギャテイ …」から始まる有名な最後の部分は陀羅尼である。
陀羅尼の効果・効力
陀羅尼を誦することで、仏の説いた教えをすべて記憶して忘れず(=総持・能持)、雑念・妄想をさえぎることができる(=能遮。能く遮る。遮ることができるという意味)とされる。
陀羅尼とは、本来、すべて(=「総」)のことを「記憶して忘れない」(=「持」。保持する、という意味)ことができる(=「能」。~できる、という意味)という意味で、一種の記憶術であり、また、これを繰り返しとなえることで雑念・妄想をはらって禅定に入ることができる、と考えられたからである。
ただし、その神秘的な響き等から、陀羅尼を誦すればもろもろの障害を除いて種々の功徳を受ける
といわれるようにもなった。
引用元:広辞苑
用例
法華経
『法華経(上)』 岩波書店〈岩波文庫〉、坂本 幸男 岩本 裕 訳注、1991年、10頁。
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