供養―分類―四事供養
四事供養とは
四事供養の定義・意味
四事供養(しじくよう)とは、次の4種の供物を供える(捧げる)供養をいう。
- 衣服(えぶく)
- 飲食(おんじき)
- 臥具(がぐ)
- 湯薬(とうやく)
四事供養の位置づけ・体系(上位概念)
供養
仏教では、供養は、供える供物(くもつ。お供え物)により、たとえば、次のような種類に分類される。
- 三種供養…利供養・敬供養・行供養
- 四事供養
- 二種供養…有形の供物(香華・燈明・飲食などの財による利供養)と無形の供物(読経などによる法供養)
- 十種供養…華・香・瓔珞(ようらく)・抹香(まっこう)・塗香(ずこう)・焼香・繒蓋(ぞうがい。きぬがさ)・幢幡(どうばん。はた・のぼり)・衣服(えぶく)・伎楽(ぎがく)
四事供養の経緯・沿革・由来・歴史など
四事供養は増一阿含経(ぞういつあごんきょう)に説かれている供養で、初期仏教では、衣服・飲食・臥具・湯薬が主な供物として僧団に供養された。
四事供養の用例・用法
法華経
衣服(えぶく)と臥具(がぐ) 飲食(おんじき)と医薬あるも
しかもその中において 稀望(けもう)する所なかれ。
引用元:『法華経(中)』 岩波書店〈岩波文庫〉、坂本 幸男 岩本 裕 訳注、1991年、260頁。
阿逸多よ、この善男子・善女人はわが為めにまた塔寺を起て(たて)及び僧坊を作り、四事(しじ)をもって衆僧を供養することを須(もち)いざれ。
引用元:『法華経(下)』 岩波書店〈岩波文庫〉、坂本 幸男 岩本 裕 訳注、1991年、58頁。
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